相続手続きで面倒になりがちな「遺産分割協議書」。法務局の公式様式に沿ってエクセルで作成できることをご存知でしょうか?
実際に、【全国の法務局窓口で年間20万件超】の相続登記申請があり、【協議書の記載ミスや記入モレで再提出】となるケースが少なくありません。
「どの書式を使えばいいの?」「エクセルで自作しても本当に受理されるの?」そんな不安や疑問をお持ちの方も多いはずです。
特に、印刷形式のまま提出して書類不備を指摘されるトラブルは、過去5年連続で増加傾向にあります。
この記事では、法務局様式の特徴やよくあるミスの回避策、そしてモバイル端末でも編集できるエクセルテンプレートの活用法まで、現場の司法書士が詳しく解説。
【2025年相続法改正】にも対応した最新手順で、あなたの大切な手続きを“スムーズに”進めるためのポイントをまとめています。
少しでも「手続きに失敗したくない」「専門家に頼らず自分でやり抜きたい」と感じている方は、ぜひこのままご覧ください。
遺産分割協議書をエクセルで法務局様式に沿って作成する全体像とポイント
遺産分割協議書は、相続の場面で必要となる重要な法的文書です。近年、作成の手間やデータ管理のしやすさからエクセル形式を検討する人が増えていますが、法務局の様式に準拠したフォーマット選びや各財産の記載方法には十分な注意が必要です。ここでは、エクセルで作成する際の注意点、公式書式活用方法、資産別の具体的な書き方を解説します。
遺産分割協議書とは何か|基礎知識と重要性
遺産分割協議書は、被相続人の財産を相続人間で分ける内容を書面化したもので、全相続人の合意が反映された重要書類です。不動産登記や金融機関での手続き、税務署への提出にも利用されます。必ず以下のケースで作成が求められます。
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相続人が複数いて遺産を分ける場合
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特定の人に財産を集約したい場合
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不動産や預貯金、証券などの名義変更時
主な記載項目
- 被相続人および相続人の氏名・続柄・住所
- 分割する財産の具体的な内容(不動産、預貯金、証券等の明細)
- 配分割合や取得者ごとの割り振り
- 全相続人の署名と実印押印
正しく作成されていないと相続登記ができず、トラブル回避のうえでも信頼性の高い内容が重要です。
法務局様式の特徴と公式書式の種類
遺産分割協議書の様式にはPDF、Word、エクセルといった種類があります。下表でそれぞれの特徴や選び方、利用上のポイントを比較します。
様式 | 提供元 | 主な特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
法務局・国税庁 | 書式が崩れにくい。手書き記入にも対応。 | 公式性・フォーマットの信頼 | 編集がやや手間 | |
Word | 法務局 | 書き換えやすく、文章の追加や調整が容易。 | 修正・追加が柔軟、公式サポートあり | レイアウト崩れやすい場合も |
エクセル | 公式提供なし | 独自の表計算や自作が基本。行や項目の追加が簡単。 | 管理や集計がしやすい | 公式性に劣る・非推奨 |
エクセルテンプレートは法務局から公式配布されていませんが、相続財産の一覧表や分配条件をつくる際に便利です。不動産や預金口座など財産が多岐にわたる場合は、WordやPDFで遺産分割協議書本文を作成し、エクセルで管理用リストを補助資料として提出する方法が現実的です。
適用シーン別の書式選び|預貯金・不動産・証券など
遺産の種類ごとに最適な書式や記載方法があります。以下のケースごとに利用をおすすめします。
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預貯金:各銀行名、支店、口座番号、残高などを一覧表形式で明記。割合を明示し、代表相続人を記載します。
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不動産:法務局が指定する「不動産の表示」を転記し、登記簿通りの表現を使用することが大切です。
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有価証券:証券会社名、銘柄、株数など正確なデータを記載します。
書式選びのポイントリスト
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預貯金など数が多い場合はエクセルで管理表作成
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不動産は法務局のWordまたはPDF雛形を推奨
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相続関係説明図や付随書類も法務局の公式テンプレート活用が安心
相続の場面によって書式の組み合わせや記載方法が変わるため、公式様式のメリットを生かした柔軟な活用を心がけてください。書き方や提出方法に不安がある場合は、法務局や専門家の案内を参照しながら進めることが確実です。
遺産分割協議書をエクセルテンプレートで法務局様式に則って作成・配布・安全活用する方法
無料ダウンロードの正しい手順と注意点
遺産分割協議書のテンプレートは、法務局の公式サイトや各専門家のホームページでPDF・Word形式が無料配布されています。エクセル形式の公式ひな形は用意されていませんが、WordやPDFからコピー&ペーストしてエクセルへ転記する方法で自作も可能です。安全に利用するためには、最新版の書式や改訂履歴を確認し、正確な情報が反映されているものを選びましょう。変更履歴が明記されているテンプレートは、申請ミスの予防や二重申請の回避に役立ちます。
配布元 | 主要フォーマット | 特徴 |
---|---|---|
法務省 | PDF, Word | 公式・信頼性が高い |
専門家サイト | Word, 一部Excel | 編集可能・雛形選択肢が豊富 |
ダウンロード前に必ず「ファイルの更新日」「記載例の有無」「改訂記録」を確認し、必要事項の抜け漏れがないか見比べることが重要です。
編集自由度の高さと利用時の注意事項
エクセルで遺産分割協議書を編集する場合、項目の追加削除や財産ごとの分割割合の表記が柔軟にできます。特に預貯金や不動産など複数財産の分割時は、セルを分けて金額や割合を明記することで視認性が向上します。項目追加時は、次の点に注意しましょう。
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氏名や住所、続柄など重要項目を削除しない
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財産の詳細(例:銀行名・支店・口座番号)は正確に記載する
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相続人全員分の署名欄・印鑑欄を必ず作る
エクセルで保存する際は「PDF形式で最終出力」し、改ざん防止やレイアウト崩れのリスクを抑えることが推奨されます。これにより、法務局への提出や金融機関での受付時に書式トラブルを防げます。
スマホ・タブレットでの作成・編集対応状況
スマホやタブレット端末でもエクセルアプリやGoogleスプレッドシートを使用すれば、遺産分割協議書の簡易編集が可能です。ただし細かいレイアウト調整や改ページ、印刷レイアウトの確認はパソコンが最適です。モバイル端末で利用する場合のポイントは次の通りです。
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テンプレートはシンプルなレイアウトを選ぶ
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操作性を考慮し、一画面で主要項目が確認できる設計に
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データの保存・バックアップはクラウド利用が安全
最終提出用のPDFへの書き出し・印刷プレビューは、パソコン環境で最終チェックを行うと安心です。各端末ごとに機能差がありますが、手軽に編集や閲覧ができる点は大きな利点です。
エクセルで遺産分割協議書(法務局様式)を作成する詳細な手順
遺産分割協議書をエクセルで作成する際は、各金融機関、不動産、預貯金口座ごとの明記と、相続人全員の合意内容の明文化が必須です。公式の法務局様式のエクセル版テンプレートはありませんが、下記のポイントに従い作成すれば、不動産の名義変更や銀行など様々な手続きにも対応できます。内容には被相続人の氏名・本籍・死亡日、相続人全員の氏名・住所・続柄、分割財産の明細(不動産は登記記載情報、預貯金なら銀行名・支店・口座番号・金額・割合)が必要です。自分で作成する場合も、署名・実印の押印、印鑑証明書の添付を忘れないよう注意してください。以下の表で必要な記載項目をまとめます。
記載項目 | 内容例 | 注意点 |
---|---|---|
被相続人の情報 | 氏名・本籍・死亡年月日 | 戸籍謄本で確認 |
相続人の情報 | 氏名・住所・続柄 | 全員一致が必要 |
財産の詳細 | 不動産・預貯金・証券など | 明確な金額や割合記載 |
分割内容の合意 | 誰がどの財産を取得するか | 曖昧な表現は避ける |
署名・押印 | 各相続人の署名・実印押印 | 印鑑証明書の添付 |
相続人と関係説明図の準備
法務局では、遺産分割協議書の添付書類として「相続関係説明図」「法定相続情報一覧図」の提出が求められます。これらの図はエクセルやワードで自分で作成しても問題なく、法務局公式ホームページでも雛形のPDFやワード形式が提供されています。関係説明図には被相続人や相続人間の続柄・戸籍上の関係を正確に反映させることが重要です。「相続関係説明図 ひな形 法務局」等のワード・エクセルテンプレートを活用し、提出前に全員の戸籍を再チェックすることでトラブル防止につながります。
被相続人の財産把握と記載方法
遺産分割協議書には、被相続人が所有していた不動産・預貯金・証券・その他の財産をもれなく記載する必要があります。預貯金は銀行や支店、名義、口座番号、残高を正確に記載し、代表相続人が取りまとめる場合はその旨を明示します。不動産は登記事項証明書に記載された情報(所在・地番・種類・面積など)を正確に転記し、間違いを避けてください。特定の銀行ごと、あるいは預金ごとに「遺産分割協議書 ひな形 預貯金」「銀行ごとの分割割合」などの形式も活用できます。
財産の種類 | 記載ポイント | 代表的な添付資料 |
---|---|---|
預貯金 | 銀行名・支店名・口座番号・残高 | 通帳コピー・残高証明 |
不動産 | 所在・地番・地目・地積・家屋番号 | 登記事項証明書 |
有価証券等 | 証券会社名・名称・数量 | 残高証明 |
書式への具体的記入方法と署名押印のポイント
作成したエクセル書式には、財産や分割内容を明記したうえで、相続人全員の氏名・住所を記載し、各自が自筆で署名し実印を押印する必要があります。署名欄には印鑑証明書の添付も合わせて求められることが多く、契印や割印の要否も提出先の法務局や金融機関で必ず確認してください。押印に漏れがあると法務局での登記申請や銀行手続きで受理されませんので注意が必要です。署名や押印が分かりにくい場合は、公式の「遺産分割協議書 ひな形 PDF」「word テンプレート」を参考にしましょう。
代表相続人・法定相続人の扱いと事例紹介
代表相続人制度を活用すると、預貯金の名義変更や相続税の申告がスムーズです。相続人のパターンには配偶者の単独相続、配偶者と子供、兄弟姉妹のみの場合などがあり、それぞれの続柄ごとに協議書の記載方法が異なります。たとえば、配偶者と複数の子供がいる場合は、全員で合意内容を協議し署名と実印を押印する必要があります。兄弟姉妹相続では相続人が複数に及ぶため、全員の意思確認と押印が必須です。複雑なケースや分割割合の算定に不安がある場合は、専門家へのご相談も検討してみてください。
法務局提出用の遺産分割協議書等申請書類セットと提出の流れ完全ガイド
遺産分割協議書以外の必須書類一覧
法務局で遺産分割協議書を提出する際は、協議書以外にも複数の書類が必要です。下記の表で主要な書類と役割を整理しました。
書類名 | 用途・概要 |
---|---|
登記申請書 | 不動産名義変更手続きをする際の必須書類 |
戸籍謄本一式 | 被相続人の出生から死亡までと全相続人の現戸籍を提出し、相続関係を証明 |
住民票(除票) | 被相続人の最終住所を証明。相続人の住民票も場合によって必要 |
印鑑証明書 | 相続人全員分が必要で、実印押印との整合性を証明 |
固定資産評価証明書 | 不動産の評価額を証明し、登記費用計算や申請書類に添付 |
相続関係説明図 | 家系図形式で相続人全員・被相続人との関係を視覚的にまとめる |
遺産分割協議書原本 | 不動産や金融資産の分割内容と各相続人の合意を示す最重要書類 |
こうした主要書類に加え、預貯金や証券の相続がある場合は各金融機関指定の届出書や委任状などが求められる場合もあります。また、相続税申告用には国税庁が公開する遺産分割協議書のひな形やPDF形式の書式を利用する方も増えています。
法務局への申請手続きの基本フロー
法務局への申請手続きは、書類の準備から提出まで段階的に進みます。以下の流れを押さえておけば、手続きの不安を大きく減らせます。
- 必要書類の準備
- 各書類は最新かつ正しい内容でそろえる
- 遺産分割協議書は原本+コピーを用意
- 提出用の他、控えや複数の手続き先へ提出する場合を想定
- 法務局の受付時間を確認し、窓口持参または郵送で提出
- 受付時間や混雑状況は、事前に法務局のホームページでチェック
- 提出部数を確実にそろえる
- 原則原本1通に加え、登記・金融機関ごとにコピー多めの用意が安全
- 登記申請用紙はホームページでダウンロードも可能
- 専用フォーマットでの作成がトラブル防止にも有効
不動産登記や名義変更だけでなく、預貯金分割や各種資産整理も同時に行う場合は、事前にチェックリストを作成したり、エクセル・PDFなどでデータも控える方法も有効です。
不備発見時の対応策と再提出手順
万が一書類の記載ミスや不足があった場合、速やかな修正や補完が必要です。法務局では下記のような流れで案内がなされます。
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書類不備時の通知を受け取る
- 郵送申請の場合は後日書留や電話で連絡
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不足書類や記載ミス箇所を確認
- 指定された部分の訂正・追記を正確に行う
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追加資料をそろえたうえ、法務局窓口へ持参または再送付
- 必要に応じて担当窓口へ事前連絡して確認
-
再提出後は審査に通常数日から1週間程度を要することが多い
- 問題なければ登記完了書や受領証が後日発行
重要なのは、署名や押印・印鑑証明、日付や財産詳細の記載漏れが多い点です。ExcelやWordで書式を整えた場合も、紙に印刷後、全相続人が実際に署名し実印を押印して内容の正確性を担保しましょう。
この一連の流れと注意点をしっかり抑えることで、法務局申請時のトラブルや再手続きの手間を最小限に抑えることができます。
預貯金や不動産を遺産分割協議書エクセルで具体的に分割・記載する方法
預貯金分割の具体例とテンプレート活用ポイント
遺産分割協議書に預貯金を記載する際は、複数の銀行口座や金融商品を正確に整理することが重要です。エクセルを活用すれば、複雑な口座情報や相続人ごとの割り振り割合も視覚的にわかりやすくまとめられます。
主な記載ポイントを下記のように整理してください。
銀行名 | 支店名 | 口座番号 | 預金残高 | 相続人名 | 分割割合 | 支給方法 | 代表相続人 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
○○銀行 | △△支店 | 1234567 | 5,000,000円 | 山田 太郎 | 50% | 振込 | 山田 花子 |
△△信金 | ◎◎支店 | 7654321 | 3,000,000円 | 山田 花子 | 50% | 現金 | 山田 花子 |
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全預金口座を一覧化
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分割割合・相続人ごとの受取方法を明記
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代表相続人を指定する場合は必ず記載
このようなリストはエクセルの表機能を使い簡単に作成できるため、預貯金の管理や協議証明に活用できます。
不動産の分割登記における注意点と記載例
不動産を遺産分割協議書に記載する際は、財産内容を明確に特定し、法的に必須の細目まで正確に記載する必要があります。例えば、土地や建物の所在地、地目、地積、家屋番号、共有の場合は持分割合を必ず明示します。
下記のような構成が有効です。
財産種別 | 所在地 | 登記番号・家屋番号 | 面積・地積 | 固定資産評価額 | 相続人 | 持分割合 |
---|---|---|---|---|---|---|
土地 | 東京都千代田区1-2-3 | 1234-5678 | 100㎡ | 10,000,000円 | 山田 太郎 | 1/2 |
建物 | 東京都千代田区1-2-3 | 8765-4321 | 120㎡ | 15,000,000円 | 山田 花子 | 1/2 |
-
固定資産評価額や評価証明書番号を添付するのが一般的
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持分割合(例:1/2など)を必ず明記
-
登記申請時の連動が重要
エクセルのセルを利用して分割パターンごとに記載し、共有や単独取得のパターンも一目で分かるように設計してください。
複数財産・複雑相続のケーススタディ
実際の相続現場では、預貯金や不動産以外にも証券・自動車・負債など様々な財産が関与するケースが多く、協議書の記載内容も複雑になりがちです。エクセルで管理する場合は、財産の種類別・相続人別でシートを分けたり、計算式を活用して割合や分割額を自動集計することが可能です。
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複数の相続人間で均等でない分割割合に対応
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財産種別ごとにタブや色分けで視認性向上
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変更履歴を残しながら調整可能
財産リストと分割割合一覧を組み合わせて情報を一元管理できるため、複雑な協議や修正対応の手間を大幅に削減できます。エクセルの強みを活かし、誰がどの財産をどの程度相続するかを明確にしましょう。
よくある疑問とトラブル回避のQ&Aを交えた遺産分割協議書エクセル法務局様式の解説
遺産分割協議書は自分で作成可能か?
遺産分割協議書は、相続人全員の合意があれば自分で作成できます。公的な様式・書式の決まりはありませんが、法務局で提出する場合はA4サイズの紙に分かりやすく記載するのが一般的です。内容としては被相続人の氏名・死亡日・本籍、相続人全員の住所・氏名・続柄、相続財産の詳細や分割比率を明記し、署名・実印での押印が必要です。手軽に作成したい場合、WordやPDFの雛形を活用するのが主流で、エクセル形式は一部で提供されていますが、法務局公式では主にPDFやWordが推奨されています。
法務局で遺産分割協議書のコピーはもらえるか?
法務局で遺産分割協議書自体のコピーをもらうことはできません。提出した原本は返却されず、持参したコピーと原本を照合した上でコピーのみを返却される場合があります。遺産分割協議書は法的効力があるため、作成した原本は相続人で大切に保管してください。提出前に必ず原本のコピーを複数部用意し、金融機関やその他手続きでも活用できるよう備えておきましょう。
内容 | できる/できない | 注意点 |
---|---|---|
法務局でコピー取得 | × | 提出前に自分で用意すること |
原本の返却 | × | 原本は返却されない |
コピー証明 | △ | 持参コピーの原本照合は可能 |
書類の契印・手書き提出の可否
遺産分割協議書は手書きでもパソコン作成でも有効です。実務上は読みやすさや管理のしやすさからパソコン作成(WordやPDF形式)が推奨されますが、ペンによる自書でも問題ありません。契印は複数枚にまたがる場合や訂正・連結する際に必要です。複数ページの場合は、ページ間すべてに契印を押すようご注意ください。また提出は印字・手書きいずれも可能ですが、全相続人が実印で署名・押印し、印鑑証明書を添付する必要があります。
司法書士依頼時の費用目安と費用削減ポイント
司法書士への遺産分割協議書作成・登記依頼時の報酬は、不動産登記込みでおおよそ5万円から10万円程度が相場です。ただし、財産の種類や数、相続人の人数によって変動します。費用を抑えるには、協議書の下書きを自身でエクセルやWordで作っておく、戸籍や相続関係説明図など必要書類をあらかじめそろえておくことがポイントです。自分で作成した場合は無料ですが、内容不備やトラブルを防ぐため複雑なケースは専門家への相談を推奨します。
項目 | 費用目安 | 節約ポイント |
---|---|---|
司法書士への依頼 | 5万円~10万円 | 下書きを自作する |
登録免許税 | 別途必要 | 書類準備を自分で進める |
自作の場合 | 無料 | 雛形テンプレ活用が便利 |
最新法令・判例・公的資料で信頼度アップ!遺産分割協議書エクセル法務局様式作成ガイド
2025年の相続法改正ポイントと影響
2025年の相続法改正により、遺産分割協議書の作成や相続人同士の手続きに重要な変更点が加わりました。特に、全相続人の同意確認方法や不動産の名義変更申請時の書類要件が一部見直されています。相続財産が多様化し、預貯金や証券、銀行口座ごとの分割記載がより明確に求められるようになりました。加えて、協議書への署名・押印、各種証明書との整合性確認も強調されています。これらの改正点を反映させることが、法務局などでの手続きの円滑化とトラブル防止につながります。
法務局・国税庁の公式資料の活用方法
遺産分割協議書の正確な作成には、法務局や国税庁が提供する公式ひな形、書式の参照が欠かせません。法務局ホームページではPDFやWordで無料ダウンロードできるテンプレートが利用可能です。さらに国税庁も相続税関連の事例別分割協議書雛形を公開しており、預貯金のみを分割する場合や不動産を含む場合など、多様なケース対応で参考にできます。公的資料を使うことで記載ミスや内容不備を防ぎ、書式不一致によるやり直しリスクも大幅に低減可能です。
資料種別 | 格式 | 提供元 | ダウンロード可否 |
---|---|---|---|
分割協議書ひな形 | Word/PDF | 法務局 | 〇 |
分割協議書ひな形 | 国税庁 | 〇 | |
相続関係説明図 | Excel/Word | 法務局 | 〇 |
司法書士による実例解説・専門家コメント集
遺産分割協議書は、記載内容や手続きミスによって相続登記や銀行口座凍結解除等の手続きに支障を来すことがあります。実務の現場では、相続人全員が揃わない、印鑑証明書と住所が異なる、財産明細の記載漏れなどで再提出になるケースも少なくありません。司法書士のアドバイスとしては、被相続人・相続人情報、財産の詳細、分割方法を過不足なく正確に記載すること、全員の署名・実印と印鑑証明書取得を徹底することが推奨されます。また、複雑な案件や記載に迷う場合は、専門家への早期相談によってトラブルを未然に防ぐことができます。
-
実際によくある注意ポイント
- 預貯金や証券など複数財産の分け方を明確に記載
- 相続人間の合意が成立しているか署名や押印で確認
- 財産を共有する場合の各人の持分割合を正確に表記
これらを守ることで、後から内容への疑義が発生した際も協議内容を証明でき、法的なトラブルのリスクを最小限に抑えられます。
【遺産分割協議書のチェックリスト例】
チェック項目 | 確認ポイント |
---|---|
相続人・被相続人情報 | 氏名・住所・本籍・続柄の記載 |
財産明細の記載 | 不動産、預貯金、証券など種類ごとに明記 |
分割方法の合意内容 | 分割割合、担当相続人明記 |
署名・実印 | 全員分、印鑑証明書添付有無 |
書式の適合 | 法務局・国税庁公式雛形準拠 |
公式テンプレートを活用し、正確に書類を整えましょう。
遺産分割協議書エクセル法務局様式と相続手続き全般の賢い連携活用法
預貯金の相続手続きにおける遺産分割協議書の役割
遺産分割協議書は、預貯金の相続手続きにおいて特に重要な役割を果たします。金融機関では相続人全員の合意が確認できる書類として協議書の提出を求められます。法務局や各銀行では、記載項目や書式の指定は異なりますが、基本情報として次の内容が必要です。
要素 | 内容のポイント |
---|---|
被相続人 | 氏名、本籍、死亡日 |
相続人 | 全員の氏名、住所、続柄、押印 |
預貯金明細 | 金融機関名、支店、口座番号、金額、配分 |
合意内容 | 分割方法、金額割合、相続人ごとの取得財産 |
署名・捺印 | 署名は自書、捺印は実印(印鑑証明書添付が原則) |
ポイント
-
金融機関によっては独自の書式もありますが、自分で作成した遺産分割協議書も利用可能です。
-
エクセルなどで作成しPDF化する方法も増えていますが、提出前に求められる様式や押印方式を必ず確認してください。
不動産の相続登記申請との書類連携
不動産の相続登記申請では、遺産分割協議書が不可欠です。法務局への提出では、オリジナルのものか法務局が公開しているPDFやWordの雛形を活用すると記載漏れを防げます。エクセルで作成した書類はPDF変換して提出できますが、原本や相続人全員の署名・実印は必ず必要になります。
相続登記で必要な書類
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被相続人の戸籍謄本
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相続人全員の戸籍(現在事項全部証明書)
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遺産分割協議書(原本)
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登記申請書
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相続関係説明図(法務局HPでテンプレ入手可)
連携のポイント
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相続内容を整理した協議書をもとに登記申請に必要な情報をすべて記載
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相続財産が複数に渡る場合も、協議書1枚で全財産の分割をまとめることが可能です
相続税申告と遺産分割協議書の関係
相続税申告時にも協議書は大きな役割を果たします。遺産分割が確定していることで、「相続税申告書」に正確な取得財産と分割内容を記載できます。国税庁の雛形を利用した協議書もあり、税務署提出では分割内容の明記と法定相続人の合意が条件となります。
主要な効用
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財産の分割結果が明示されていれば、課税対象額の計算が容易
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協議書が未作成の場合、税法上の特例(小規模宅地等の減額など)が適用されないことがあります
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相続税申告後に協議内容に変更が生じた場合は、修正申告が必要
他の相続手続きに必要な書類とタイムライン管理
相続人が関与するすべての手続きをスムーズに進めるためには、各手続きごとに必要な書類と提出タイミングの管理が重要です。以下の一覧で主要書類と推奨タイムラインを整理します。
手続き内容 | 主な必要書類 | 推奨着手タイミング |
---|---|---|
預貯金解約 | 遺産分割協議書、戸籍、通帳等 | 遺産分割後すぐ |
不動産相続登記 | 協議書、戸籍、登記申請書、関係説明図 | 遺産分割後1か月程度内 |
相続税申告 | 協議書、財産目録、申告書 | 死亡から10か月以内 |
その他証券・財産名義変更 | 協議書、各金融機関所定の書式 | 適時(財産ごと) |
管理ノウハウ
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書類作成はエクセルやPDF活用で保存・共有しやすく
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タスク管理表やチェックシートを利用して時系列で進捗を可視化
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変更や追加の必要なケースに柔軟に対応できるよう控えの保管も万全にしておくと安心です